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もり鍼灸治療院ブログ

千葉県市川市、JR本八幡駅南口から徒歩5分の所にある治療院です。時々健康や医学的な話、大体は院長の趣味・興味の話をお届けしています。

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鍼のこと・つづき
鍼を語る上での重要なキーワード「響き」。
お笑い芸人とは関係ありません。
「響き」とは鍼治療独特の治療感で、体の奥が重だるく感じたり、しびれが走るような感覚をいいます。
響きは治療効果にどんな影響があるのでしょうか。

そもそも鍼は何故効くのでしょうか。

細かく書くと本が1冊書けてしまうような内容なのでかなり省いてご説明しますと、
「人間の体は外部からの刺激が加わると、それによって反応を起こすことで体が改善される」
ということなのです。

鍼を刺すと、大体その周りがほんのりと赤くなってきます。
これは鍼の刺激によって体の内部で信号の伝達が行われ、鍼の近くの血管が広がり血流がよくなるために生じます。専門用語で「軸索反射」といいます。また皮膚からの刺激によって自律神経の働きに影響を与えたり、内臓の活動が活発になる等といった反応を起こすことが明らかにされています。

中国では数千年前から鍼に鎮痛効果があることが知られていました。また今からおよそ40年ほど前、虫垂炎の手術を鍼を使った麻酔で行ったというニュースで「鍼麻酔」が有名になりました。実際には麻酔といっても完全に感覚がなくなるわけではなく、「苦痛を我慢できる程度に和らげる」という感じなのですが、ともかく鍼で痛みをどうにかできることは認められてきたようです。

これらの効果の引き金になるのが先の「響き」なのです。
人体には触覚・痛覚・温感・冷感などを感じる部位があります。感覚受容器と呼ばれています。
響きはこの感覚受容器が伝えているものと考えられています。
人体は外部から刺激を受けると、その複雑な機構を通じて体内にモルヒネ様の物質を作り出します。
その物質が出来ることで痛みを和らげるのが鍼の効果の仕組みの基本と考えられています。

では、響きがないと鍼は効かないのでしょうか。

響きは通常皮膚から数十mmと比較的深く刺した場合に得られます。しかし日本で発達した「経絡治療」という手技は皮膚から数mmしか刺さず、その為響きは得られません。ですがこの流派で治療している先生方も効果的な治療をされています。
どうやら響きだけが治療効果の全てではないようです。

では何故効くのでしょうか。
ある書物では、「鍼は気を動かす」と書かれていました。
気・・・なんだかそれっぽくなってきました。

次回以降、気についてお話ししていきたいと思います。
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